2015年にAGA治療薬「ザガーロ」が承認されて以来、AGA治療に対してデュタステリド系製剤に注目が集まっております。ユナイテッドクリニックも日本で最初に「ザガーロ」を紹介したクリニックとして有名ですが、まだまだプロペシアの主成分フィナステリドを使った薬剤は人気が高いです。
2016年3月以降、プロペシアのジェネリック『フィナステリド「サワイ」』や『フィナステリド「クラシエ」』が登場しています。口コミでの評判も少しづつですが出てきているようです。
今までは、プロペシアのジェネリックといえば『フィナステリド「ファイザー」』や「フィンペシア」、「エフペシア」、「フィナロ」などがありましたが、フィナステリド「サワイ」とフィナステリド「クラシエ」の登場はAGA治療の選択肢を広げることになるでしょう。
当院は池袋でフィナステリド処方の値段を最も安く抑えたクリニックです。ED治療薬、AGA治療薬を東京最安価格(値段)での処方を目指しております。
フィナステリド「サワイ」とは
フィナステリド「サワイ」は沢井製薬株式会社の販売するプロペシアジェネリックであり、主成分はフィナステリドです。そのため、効果や副作用に関してはプロペシアと同じです(コーティング剤などが若干異なります)。
沢井製薬は大阪府大阪市淀川区に本社を置く医薬品製造企業です。ジェネリック医薬品の製造販売を主に行っており、同業種の上場会社の中では最大手となっています。テレビで高橋英樹さんがＣＭされていますので「沢井製薬」をご存知の方も多いでしょう。
下の画像が『フィナステリド「サワイ」』の画像です。
プロペシアと同様に14錠が1シートになっており、1箱に2シート入って計28日分になっています。
フィナステリド錠「サワイ」は、1箱28錠のものしかありませんのでご注意ください。プロペシアと違い、1箱90錠や140錠のものはありません。
プロペシアジェネリック
プロペシアのジェネリックとは、MSD株式会社が製造販売するAGA(男性型脱毛症)治療薬であるプロペシア有効成分フィナステリドの特許期間満了後に、他の製薬会社が同じ有効成分、同じ効果・効能にて製造販売承認を得て発売されている後発医薬品（ジェネリック医薬品）です。最近では国がジェネリック医薬品の割合を増やすこと方針であるため「ジェネリック」という言葉を耳にされる回数も増えたことでしょう。
ジェネリックの基準は世界共通
ジェネリック医薬品には世界共通の基準があり、先発医薬品（プロペシア）と後発医薬品（フィナステリド「サワイ」）の体内への吸収される速度が同等であること、また最高血中濃度が同等であることを満たした場合です。その場合に後発医薬品（フィナステリド「サワイ」）の成分フィナステリドが先発医薬品（プロペシア）と生物学的に同等の作用をする（生物学的同等性）として厚生労働省がジェネリック医薬品として承認するのです。
プロペシアとプロペシアの効果は同じ
世界中でジェネリック医薬品の基準は共通です。そのため国が違うからジェネリックで効果や副作用が違うということはありません。プロペシアジェネリックの場合、成分が同じフィナステリドで体内に吸収される速度も、最高血中濃度も同じであるため、体内でのフィナステリドの効き方も同じです。そのため効果は同等で違いが出ることは理論上ありえません。
もし違いが出たとすれば可能性はAGAが進行した可能性が最も高いでしょう。プロペシア（フィナステリド）治療では5年間の服用で10%の方にAGAの進行が見られます。
2015年からプロペシアジェネリックは日本でも処方されています。
プロペシアは2015年に特許権が満了しました。そのため国内で初のプロペシアジェネリック医薬品の製造販売承認を得たのが、ファイザー株式会社です。2015年2月19日にAGA治療薬としてプロペシアジェネリックとして『フィナステリド錠0.2mg「ファイザー」』と『フィナステリド錠1mg「ファイザー」』の製造販売承認を取得し同年の4月6日より販売を開始しました。
2016年に入り、サワイ製薬より『フィナステリド「サワイ」』、クラシエホールディングスより『フィナステリド「クラシエ」』が続いています。今後も様々なプロペシアジェネリックが販売されることでしょう。新AGA治療薬の「ザガーロ」も発売されますから2016年はAGA治療の転換点となる年になるかもしれません。
プロペシアジェネリックの通販・個人輸入
日本でもプロペシアジェネリックは発売されて一段と身近になったAGA治療ですが、皆さんの中には通販や個人輸入でのAGA治療を検討されている方もいらっしゃるでしょう。海外通販や個人輸入のAGA治療に関してはユナイテッドクリニックではお勧めしておりません。これは通販や個人輸入において偽物・偽造品が多いことがあり、そのため厚生労働省からも医療機関によるAGA治療薬の処方を進める注意喚起がされているからです。
もし海外製品の希望があれば医療機関は医療機関用の海外医薬品の流通ルートがあります。一度ご相談いただくと良いでしょう。
フィナステリド「サワイ」の効果と治療期間について
フィナステリド「サワイ」は、プロペシアと同等の効果があります。髪の毛の現状維持～軽度改善の効果が見込まれるAGA治療薬です。プロペシアとフィナステリドの効果を比較しても違いはありません。
AGA(男性型脱毛症)にのみ効果を発揮するもので、他の原因(円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など）が原因の薄毛に対しては効果がありません。
フィナステリド「サワイ」は早い方で3ヶ月の連続投与で効果がみられる場合もありますが、基本は６カ月の連続投与が必要な薬であり3ヶ月経過しても効果を実感できないからといって自身の判断で中止しないようにしましょう。また6ヶ月の連続投与でも効果が現われなかった場合は、必ずドクターの指示を仰ぐようにしてください。
国内の臨床試験で、20歳以上50歳以下の男性で脱毛症以外の心身ともに健康な軽度～中度までの男性型脱毛症(AGA)患者を対象にフィナステリド1mgの1年間投与により58％、2年間で68％、3年間で78％のAGA改善効果が認められています。
また、フィナステリド1mgの1年間投与で40％、2年間で31％、3年間で20％の現状維持効果も認められています。これらを合計するとフィナステリド1mgは98％の方に効果を発現させています。
フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の原因物質ジヒドロテストステロン(DHT)を抑えます。ジヒドロステロンは通常6年程度の髪の毛の寿命(ヘアサイクル)を1年未満にし薄毛を進行させます。フィナステリドはジヒドロテストステロン産生を抑制しヘアサイクルを元に戻す薬です。そのため極端に髪の毛を生やす作用はありません。大半の方は現状維持～軽度改善となります。
フィナステリド「サワイ」の飲み方
3ヶ月の連日服用で効果を得られる事もありますが、通常効果が確認できるまで6ヶ月の連続服用が必要な薬です。効果を持続させるためには毎日きちんと服用することが重要になります。
1日1回の服用さえ続けていれば、フィナステリドの効果は身体に行き渡りますが、血液中のフィナステリドの濃度を一定に保つことが重要なので、飲み忘れや服用のタイミングを間違えないように時間を決めて服用するのが良いでしょう。
服用の例としては18時の飲むなどの時間で決めてしまうのもいいですが、大きく時間の差異が出ないのであれば、朝起きたら飲む、夕食時に飲むなどのタイミングで飲むと決めてしまうのも飲み忘れ防止には適していると思われます。
またフィナステリドは1mg以上を服用しても効果が強まるわけではないので、1日1mgを限度に服用してください。
フィナステリドの副作用
プロペシアと同等なので、強い副作用が出ることはめったにありません。プロペシアの主成分フィナステリドは48週間の二重盲検比較試験を行っていますが、安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値以上を含む)が認められただけで、その主な症状はリビドー(性欲)減退3例(1.1%)、勃起機能不全2例(0.7%)等であり、適性に使っている限り過剰に心配する必要はありません。
万が一重篤な副作用が出た場合は服用をすぐに中止しドクターに相談をしてください。
フィナステリド「サワイ」の初期脱毛について
プロペシアの販売会社MSD社はプロペシア使用による初期脱毛に関して否定的ですが、実際に何名もの方がこの初期脱毛を感じています。これは髪の毛のヘアサイクルが関係しているとみられており、初期脱毛で抜けていく髪の毛はヘアサイクルの乱れによって生まれた弱った髪の毛なので、薬が効き始め健康で丈夫な髪の毛が生えてくる準備が整いつつある証拠と捉えるべきでしょう。
フィナステリド「サワイ」の服用を始めてから髪の毛が抜けた、抜け毛が増えたなどを感じても、服用を止めずに飲み続けるようにしましょう。
もしどうしても気になる方や不安な方はドクターに相談してみましょう。不安や心配を抱えたままにしていると、ストレスにより血管が委縮されることにより血行が悪くなってしまい、髪の毛に栄養が行き渡りにくくなってしまい髪の毛にとって良い影響を与えません。
フィナステリド「サワイ」が効かない？？
フィナステリドをプロペシアに変えても効果は変りません。
フィナステリド「サワイ」も万能の薬というわけではありません。体質や遺伝によって十分な効果が得られない方もいっしゃいます。
効果が現われないからと言って、1mg以上に増量してもあまり効果が変わらないことが知られています。
またメーカーを変え、プロペシア、フィンペシアなどに切り替えても効果は変わりません。
フィナステリド「サワイ」にミノキシジルを併用してみましょう。
では、十分な効果が得られない方はどうすればいいのかというとフィナステリド「サワイ」と作用機序の違うミノキシジルを併用いただくのが効果的でしょう。ミノキシジルは血管を拡張し、頭皮の毛母細胞を活性化させる効果が期待できる薬剤で、頭皮の血流を改善させることで発毛、育毛を促します。
ユナイテッドクリニックでは、ミノキシジルタブレット(ミノタブ)やミノキシジルリキッド(ロゲイン)などもご用意してありますので、お気軽にご相談ください。
フィナステリド「サワイ」からザガーロに切り替えてみましょう。
また、フィナステリド「サワイ」から同様の作用機序でより発毛効果の高いザガーロ・アボルブ(デュタステリド)への切り替えも検討してみましょう。ザガーロはフィナステリドよりも1.6倍高いあ発毛効果があり、また海外のデータでもフィナステリドからデュタステリド(ザガーロ)への切り替えによって、約78％の方に発毛の効果がみられたという報告があります。
フィナステリド錠「サワイ」服用の注意点
フィナステリド「サワイ」服用の注意点としては、血清ＰＳＡ濃度が変動するので前立腺がん診断を行う場合は、あらかじめ医師にフィナステリド「サワイ」を服用していることを伝えてください。これは「サワイ」を服用している方だけに言える話ではなく、フィナステリド系製剤を服用中は前立腺癌の腫瘍マーカーであるＰＳＡが1/2に低下しますので、ＰＳＡ検査を行うときはフィナステリドを服用中の旨担当医師に告げてください。ＰＳＡは2倍すると正常な値になります。
その他にも下記のような注意点があります。
1.ＡＧＡ(男性型脱毛症)飲みの適応であり、他の脱毛症に対数する適応がありません。
２.20歳未満での使用は安全性及び有効性は確立されていません。
3.女性に対する適応はありません(海外のフィナステリド製剤で実施したヶ閉経後女性のＡＧＡを対象とした12ヶ月間のプラセボ対照二重盲検比較試験(n=137)において、フィナステリドの有効性は認められませんでした。)
4.妊娠中の女性がフィナステリドに触れると胎内の男児の外性器の発育に影響を及ぼす可能性が否定できませんので服用しないようにして下さい。また、経皮吸収の程度が明らかになっておりませんので、妊娠中の女性はフィナステリドに触れないようにしてください。
5.フィナステリド、デュタステリドを服用中の方は献血をすることができません。1ヶ月の休薬の後、献血することが可能です。
