コラム

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2021.12.08

器質性ED(勃起不全)

器質性EDとは

20代や30代などでは心因性のED(勃起不全)が主ですが段々年齢を重ねていくようになり器質性のEDが増えていきます。「EDの有病率」のところにも記していますが、40歳ごろから急にEDを発症する方が増え始め、40代では4人の1人がEDを発症しています。器質性のEDは何らかの機能の原因があってEDとなった場合です。動脈硬化によって血流が悪くなるとEDになりますし、脳から陰茎までの神経伝達系に問題があり興奮が陰茎まで伝わらなければEDになります。また前立腺の疾患やホルモンの異常があるとEDが引き起こされます。

器質性EDの方も心因性EDと同様にED治療薬の服用が第一になります。80%以上の方で効果がみられますのでまずED治療薬を服用して頂くことが治療のスタートになります。

生活習慣病によるED(器質性ED)

糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣が原因となり、血管や神経が障害を受けて起こる混合性の

EDです。例えば陰茎動脈の動脈硬化が進むと性的な興奮を覚えても陰茎海綿体の動脈の拡がりが弱くなるためEDになっていきます。動脈硬化は全身性の血管の変化です。原因となる生活習慣病に罹患している方はEDが起こりやすくなります。また動脈を収縮させる喫煙や過度の飲酒もEDの原因として知られています。

糖尿病患者さんにおけるED併発率は80.9%と5人中4人がEDとかなりEDの方の割合が高いことが知られております。糖尿病は動脈硬化も引き起こしますし糖尿病のコントロールが不良だと神経障害も引き起こします。糖尿病性神経障害は糖尿病の3大合併症として有名です。糖尿病が進行すれなするほど重症のEDの方の割合が増えてきます。糖尿病による動脈硬化の起こりやすさは個人差がありますが血糖が高く、血糖の変動が激しい方に起こりやすいと言われています。また神経障害は罹患歴の長さと血糖値のコントロールが不良の場合に合併します。HbA1cが7%以下であればほとんどの方に糖尿病性神経障害は見られませんがHbA1cの数値7%以上が10年程続くとで軽度の末梢神経障害みられ、糖尿病に罹患10年をすぎると手先、足先、陰茎など末梢の持続したしびれが持続します(正座のときのようなビリビリしたしびれです)。糖尿病が進行して慢性腎不全になり透析を行うようになるとホルモンバランスの変化や動脈硬化が進展してよりEDの重症度が増してきます。

高血圧患者さんでは66.7%のED併発率で3人に2人がEDを併発しています。高血圧も動脈硬化を引き起こす原因の疾患の一つでEDが起こる割合が高くなります。また服用している利尿剤やβブロッカーが薬剤性EDの原因となる場合があります。

脂質異常症の患者さんでは64.7%にEDが併発しているといわれています。脂質異常症も動脈硬化の原因であるためEDの起こる割合も高くなります。動脈硬化プラークの中にはリピッドコアといって脂質の塊があることが知られています。普段は薄い膜に覆われれいますが、心筋梗塞などが起きるときはこの薄い膜が破れ脂質や炎症性の物質がたくさん放出され、冠動脈の血管を閉塞し心筋梗塞を起こします。

これらをが合併している方はより動脈硬化が起こりやすい、ハイリスクの方だと知られていますので、これら疾患のコントロールが重要です。動脈硬化学会では年齢や罹患している疾患によって目標値を定めています。たくさんの症例から統計を取って統計データからその方の治療目標値を定めていますのでかかりつけの医師に「私の糖尿病、高血圧、脂質の目標値はいくつですか。」と尋ねていただくといいでしょう。コントロールが良好であればあるほどEDになる可能性は低くなっていきます。

また動脈硬化が進展して狭心症や心筋梗塞を発症してしまいニトログリセリンなど服用されているとED治療薬自体の服用が禁忌となりますのでご注意ください。

神経障害によるED

正常な勃起が起きるには性的な刺激を受けると脳から脊髄へ、脊髄から末梢の陰茎まで信号が送られて陰茎海綿体の血管内皮細胞より一酸化窒素(NO)が分泌されます。これが陰茎海綿体の平滑筋の中でサイクリックGMPという神経伝達物質を産生し、血管平滑筋を弛緩させ陰茎海綿体の動脈は拡がり血液が流れ込みます。スポンジ状の海綿体は流れ込んだ血液をぐっと吸い込み、大きく膨らみます。神経障害は「脳→精髄→陰茎などの末梢神経」の神経の伝達路のどこかに異常があると脳から陰茎まで信号がおくられなくなりEDが引き起こされるのです。

脳の障害では脳卒中、脳腫瘍、外傷性の脳障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症などが知られています。脊髄からの神経障害の原因は主に交通事故による脊椎損傷、椎間板ヘルニア、脊椎腫瘍などあります。前立腺がんや膀胱がん、直腸がんなどの骨盤内臓器を摘出する際に物理的に近いため陰茎海綿体の血管や神経を損傷する危険性があります。また骨盤骨折など外傷でもEDが引き起こされる可能性があります。陰茎や陰嚢などの先天奇形などもEDになります。手術を行う場合、以前は再発を防ぐためできるだけ多くを取り除く手術から現在は血管や神経など機能を温存する手術法が増えていますので手術をする医師とよく相談すること、また担当する医師からも伝えられると思いますがパートナーともよく相談することが重要になってきます。外傷の場合は麻痺や神経のダメージの程度にもよりますが時間は要するものの治癒する場合もありますし、ED治療薬の効果も高いと言われていますのでED治療薬を使用しながら機能を保持していく必要があります。

前立腺疾患によるED

前立腺肥大症、慢性前立腺炎、精巣静脈瘤などの泌尿器科疾患はEDの原因となります。前立腺肥大や慢性炎症は血流を悪化させること、神経に損傷を与えますので原疾患の治療を行い悪化させないようにしないといけません。また排尿状態が悪いと心因性にEDを引き起こしたり、前立腺疾患にαブロッカーを投与することが多いため薬剤性EDになる可能性もあります。

男性更年期障害(LOH症候群)によるED

ホルモン異常によるEDで代表的なものは男性更年期障害(LOH症候群)です。男性は加齢により男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が低下していきます。これによる諸症状が男性更年期障害(LOH症候群)です。テストステロンは精巣で作られる代表的な男性ホルモンのひとつですテストステロンには筋肉増大や骨格の幅や厚みを持たせたり、性欲や勃起力、精子の生成など性機能を維持する働きもあります。早い人では30代から低下していきますが大半は40~50歳代の間です。男性更年期障害は、600万人近くの患者がいるといわれていますが、男性の場合は、年に1~2%の低下で女性ほど急激にホルモンは減少しませんし、その減少の程度には個人差がかなりあります。70歳代でも30歳代のホルモン値の方がいらっしゃいます。LOH症候群は「加齢に伴う男性ホルモンの低下に起因する症状・所見からなる症候群」と定義されています。

LOH症候群の原因としては加齢、ストレス、喫煙、飲酒などと言われています。LOH症候群の特徴として、ほてりや冷え以外に、精神的にはうつ症状や不眠、体力的には筋力の衰えや体のだるさ、性的には性欲がなくなる、朝立ちの回数が減少するなどの症状が強く現れることです。またED、早漏、遅漏などが見られます。神経質でまじめ、責任感や競争心が強く、几帳面またはせっかちな人は男性更年期障害を発症しやすいと言われています。

男性更年期障害の治療は専門外来で身体検査、血液検査を行い、男性ホルモンの量や前立腺に病気が無いこと等を確認した後、2~4週間に1回の割合でテストステロン補充療法(注射)を行っています。テストステロンを服用すると全身に作用する前に肝臓で全て分解されるので効果はありません。注射して直接血中に投与するか、経皮吸収させるかとなります。ただテストステロンの補充療法は副作用がかなり強いことが知られております。動脈硬化の急激な進行や前立腺肥大症や前立腺がんの助長や進行、AGAの急激な悪化を起こすことが知られております。そのためユナイテッドクリニックではテストステロンの補充療法をお勧めしておりません。男性更年期障害のEDに関しても最初にバイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬の服用をお勧めしております。

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