脂っこい食事を食べても、その脂が吸収されずに体外に出ていく…そんな夢のような薬がゼニカル(有効成分:オルリスタット)です。ゼニカルはスイスの製薬会社、ロシュ社から製造販売されている脂肪吸収抑制剤です。日本国内ではまだ承認されていないものの、2009年に大正製薬がオルリスタットの販売権を獲得したと言われているため、将来的には大衆薬として購入できるかもしれません。
ゼニカルの効果・効能
脂質をカット
1日に摂取してもよい脂質量は40gと言われていますが、ラーメン1杯で30~50gの脂質を摂取してしまうため、脂っこい食事が好きな現代人は脂質過多になっています。
そこで、ゼニカルを服用すると、食事として摂取した脂質の30%をカットし、体外に排泄してくれるため、その分のカロリーカットが見込めます。例えば、脂質量50gのラーメンを食べたとすると、脂質の1gあたりのカロリーは9kcalなので、135kcalのカロリーカットが期待できます。これは水中ウォーキングを30分したのと同じカロリー消費量です。こう考えると、ゼニカルの威力がいかにすごいかわかるのではないでしょうか?また、脂質のカットができることから高コレステロールや高血圧が気になっている方に適しています。ただし、炭水化物やたんぱく質が好きで脂質はあまりとっていない方ですと、思ったような効果は得られないでしょう。
ゼニカルの飲み方・服用方法
食事のタイミングで服用
ゼニカルは1日3回、食事中か食後1時間以内に120mg錠を1錠服用します。食後から1時間以上過ぎた場合は服用を見送ってください。効果倍増などを狙って一度に2錠服用するのは危険ですのでしないようにしましょう。脂質には体に不可欠なビタミン群が含まれているため、特に脂っこい食事を摂らなかったりした場合には服用しないことをおすすめします。
ゼニカルの副作用
おむつや生理用ナプキンを着用すると安心
ゼニカルは副作用として、便にまつわるものがよく見られます。脂肪便、下痢、便失禁など、オイルのせいで必要以上にお通じがよくなってしまうため、おならと一緒に便が出てしまうということも人によってはありますので、おむつや生理用ナプキンを着用するといいでしょう。ごくまれに、腎臓機能障害、肝機能障害、胆石症が副作用として見られるようです。異変を感じたら、かかりつけの医師に相談しましょう。
ゼニカルの禁忌・服用できない方・併用禁忌薬
以下の方は服用できません
未成年者、妊娠中、授乳中、高齢者(65歳以上)、胆石症、肝臓や腎臓に疾患を抱えている、ゼニカルに過敏症(アレルギー)がある、必須栄養分の吸収力が弱い体質、熱帯性スプレー症候群、慢性吸収不良症候群、特発性脂肪便症などの方は服用できません。 併用禁忌薬は、シクロスポリン、チラージン、抗てんかん薬、ワーファリンなどです。併用禁忌薬はこの限りではありませんので、お薬手帳を持参し、医師にご相談ください。
ゼニカルだけで痩せられたら理想だけど…
運動も併せて行うとダイエット効果がアップ
ゼニカルは、「食べたことをなかったことにしてくれる」薬のように聞こえてしまいますが、摂取した脂質の70%は体に吸収されますし、カロリーカットしている以上に揚げ物やお菓子を食べてしまったらダイエット効果は得られません。ダイエット中で食事には気を付けているけど、今日は付き合いがあってどうしても焼き肉を食べなければならない…など、ダイエットする気持ちを忘れずに服用するなら効果があるでしょう。正しく服用すればゼニカルはきっとあなたの心強い味方になってくれるはずです。また、ゼニカルはあくまでもダイエット補助剤ですので、ゼニカルだけで痩せようと思ってもなかなかうまくいかないかもしれません。ダイエットの基本は摂取カロリー<消費カロリーですから、運動を合わせて行い消費カロリーを増やす努力をすると、するすると体重が落ちていきます。現在、おなかがポッコリしてきて中年太りが気になるけれど、なかなか付き合いが多くてダイエットが難しいという方は、ぜひ一度ゼニカルを服用してみてはいかがでしょうか?