「心因性ED」とは
ED(勃起不全)の原因として最も多いのが心因性EDです。心理的な原因によるEDで実際に性機能に異常があるわけではありません。心因性EDは「現実心因」と「深層心因」の2つに分けられますが多いのが「現実心因性ED」です。
現実心因性ED(心因性ED)
EDで最も多い「現実心因」は、日常の出来事ががストレスとなり、それが原因でEDを起こす場合です。
10代後半や20代の方は性行為の経験が浅く緊張からEDになったりします。また30~40歳代では仕事のストレスや子作り、子育てなどのストレスでEDになったりします。パートナーの女性に対するストレスによるものです。子作りの時だけ緊張やストレスからEDになってり、またパートナーに暴力を振るわれたり、言葉の暴力、例えば性行為中に「役立たず」とか「使えない」などをいわれてしまい、ストレスを受けEDを悪化させたりします。また夫婦関係がうまくいっていない、仕事が忙しく疲れているなどでEDになります。性行為と関係なく日常生活のストレスも影響します。若い世代に多い現実心因性EDですがそれ以外の世代でもやはりストレスを抱えていると起こりえます。
また有名な「彼女だけED」や「妻だけED」も心因性EDとして知られています。ただこういった場合はシアリスなどED治療薬の服用やカウンセリングですぐ治ることが多いです。
池袋・上野ユナイテッドクリニック東京各院では心因性EDの方に早目に医療機関を受診することをお勧めしています。
深層心因性ED(心因性ED)
「深層心因」は簡単に言うとトラウマです。今現在の日常生活に特にストレスはないものの、幼児期の体験やトラウマなど過去に原因となった出来事があり、大半は無意識であったり、深層心理に原因があるため本人には見当がつかず、原因の解明に時間がかかり、治療が難しくなります。検査したがどこにも異常がない、ED治療薬を服用しても効果がない、今現在ストレスを感じていない方は考慮する必要があります。自身は感じていないが深層心理ではホモ・セクシュアルであるためEDになってしまっている可能性もあります。
心療内科や精神科の医師の診察やカウンセリング、必要に応じては薬物治療が必要になるかもしれません。
心因性EDの「心因」
現実心因 | 深層心因 |
現実の日常生活における心身のストレスや心理的諸要因が原因・誘因 | 心の深いところの心理的原因・誘因 |
緊張過剰、あせり、過労、睡眠不足、心配事、家庭内不和、経済的困窮、パートナーとの感情的トラブル、性的無知、性的未熟、初体験、新婚初夜、早漏、過去の性交の失敗、失恋、性感染症、別居、短小コンプレックス、マスターベーションへの罪悪感、妊娠恐怖、不倫、事故や災難、職場のトラブルなど | 抑圧された怒り、悲しみ、憎しみ、妬み、不安、愛憎葛藤、欲求不満、幼少時における心的外傷体験、母子分離不全、去勢恐怖、エディプス・コンプレックス(潜在する無意識的な近親相姦欲求)、ホモ・セクシュアルなど |
琉球大学名誉教授 石津 宏 先生
精神疾患によるED (心因性ED)
また近年、精神疾患による心因性のEDも増えております。うつ病患者の増加によるものですがうつ病、躁病、統合失調症、不安神経症、気分障害、アルコール依存といった方々です。これらは「現実心因性ED」に分類されます。これらの方の多くは中枢系の薬剤を服用されていることが多く「薬剤性ED」を鑑別する必要があります。内服薬が変更されてEDになった、EDが悪化した場合等は薬剤性EDを疑い、心療内科の主治医に相談しましょう。薬の変更でEDが改善する可能性があります。また治療中でなくてもうつ病の症状の一つとしてEDが見られている場合も考えられます。精神疾患によるED方もカウンセリングやED治療薬が効果を発揮します。
心因性EDの治療
心因性EDの方にはバイアグラ、レビトラ、シアリスなどED治療薬(PDE-5阻害薬)が有効な場合が多くみられます。
ストレス、精神疾患などでのEDの方はED治療薬を服用することで安心感、自信が得られ不安やストレス、トラウマが軽減されEDの軽減につなげることができます。若い方を中心に性行為の経験が少ない方や過去の性交の失敗によるEDの方が、ED治療薬を使い性行為の経験を積んでいくとそれが自信となりED治療薬が不要になることが多々あります。
またED治療薬本来の作用である血管拡張作用により勃起を強くしますので薬剤の効果で心因性EDの多くの場合で効果発現の期待がもてます。
失敗も成功の基と思いパートナーと多くの経験をすることが大事です。理解のあるパートナーでしたら相談し協力し合うといいでしょう。EDも改善していきますし、二人の関係も深まっていくと思います。